遺言書作成のお手伝い

用語集

 なるべくわかりやすく説明するため、法律学上または実務上の正式な定義や文章表現を欠いている場合がありますので、ご了承ください。また、詳細については、以下の説明では不足することがありますので、ご相談の際にご自身の事例を示してお尋ねください。

あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 

あ行

 あ行

イサン
遺産(いさん)
 被相続人の死後に残されて相続された財産のことです。プラスの財産(不動産、動産、現金、預金、有価証券など)だけでなく、マイナスの財産(債務など)も含みます。一身専属権(親権などの身分上の権利など。詳細はお尋ねください。)は含みません。

キョウギ
遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)
 相続人全員による遺産分けのための話し合いのことです。
 被相続人が亡くなって相続が開始しますが、遺産は遺言による遺産分割方法の指定がなければ、その段階で、指定相続分または法定相続分において相続人間での共有となります。相続人全員の協議によって、この共有状態を解消し、各相続人の単独等の財産にすることをいいます。
 この協議に期限はありません。また、相続人全員の参加が必要ですが、一同に会する必要はなく、書面等による持ち回りでの合意も可能です。
 遺産分割の方法としては、物理的に分割する「現物分割」、特定の相続人が取得し他の相続人にその代償を支払う「代償分割」、売却して換価金を分ける「換価分割」があります。

キンシ
遺産分割の禁止(いさんぶんかつのきんし)
 被相続人は、遺言によって、相続人による遺産分割を相続開始の時から5年を超えない期間禁止することができます。
 対象は全財産または一部の財産のどちらでも構いません。

シテイ
遺産分割方法の指定(いさんぶんかつほうほうのしてい)
 遺言者は遺言によって、遺産分割方法(「現物分割」「代償分割」「現物分割」のいずれか)を指定することができ、相続人はこの指定された方法によって遺産分割をすることになります。
 また、「特定」の財産を「特定」の相続人相続させたい場合、遺言書にその旨を記載することによって、遺産分割そのものを指定することができます。この指定によれば、相続開始時(被相続人が亡くなった時)に当該財産は当該相続人が取得し遺産分割の手続きを要しない(することができない)こととなります。


遺産分け(いさんわけ)
 遺産分割のことです。


遺書(いしょ)
 辞書によりますと「死後のために残した文書」などとあり、メッセージ色の強い内容のものとされています。亡くなる間際になって死を覚悟して書くイメージだと思います。
 一方、遺言は法律行為であり、法定された事項を中心に記載するものです。決して恨みつらみを書いたりするもの、縁起の悪いものではありません。
 ちなみに、法定された遺言の方式に従えば、遺言書のタイトルは「遺書」としても遺言書として有効になります(公正証書遺言の場合はタイトルは公証人が「公正証書遺言」と付します。)。

イゾウ
遺贈(いぞう)
 遺言によって、遺産の全部または一部を無償で、または負担付きで譲与することです。一方的な意思表示による単独行為であるため、契約とは異なり相手方の意思表示(承諾など)は要しません。
 遺贈には、包括遺贈と特定遺贈の2種類があります。包括遺贈は遺産の全部あるいは分数で表される一部(例えば、全財産の3分の1など)を譲与するものです。特定遺贈は字ごとく特定の財産についてされるものです。
 包括受遺者はそれが相続人でない場合であっても、一定の場合を除き相続人と同一の法律上の地位に立つことなります。したがって、例えば、特定遺贈がプラスの財産だけを承継するのに対して、包括遺贈はプラスとマイナス(借金など)の両方の財産を承継することになります。

イリュウ
遺留分(いりゅうぶん)
 一定の相続人のために法律上必ず留保されなければならない遺産の一定割合のことです。
 被相続人は、遺言によって自分の財産を自由に死後処分することができるのが原則です(これを「遺言自由の原則」と言います。)が、相続人被相続人死亡後の生活保障も社会に重要なことであり、遺言自由の原則と相続人の保護のバランスがとられている制度であると言えます。被相続人からみると、遺言自由の原則がありながら財産処分が制限されることになり矛盾しているようにも思えますが、遺留分を侵害する遺贈等がなされても、侵害された相続人が請求(これを「遺留分減殺請求」と言います。)するまでは、侵害する遺贈等でも有効とされていますので、遺留分を侵害されている相続人が納得する理由および内容であれば、そのまま有効のままとなります。
 遺留分の権利を有する相続人(これを「遺留分権利者」と言います。)は、①子(子が先に死亡した場合の孫を含みます。)、②直系尊属(父母などのこと。父母が先に死亡していれば祖父母です。)、③配偶者です(以上、順位は相続人を参照してください。)。兄弟姉妹は相続人になることがありますが、遺留分権利者ではありません。
 ① 遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人である場合は、
     「遺留分の基礎となる財産」×法定相続分×1/3
 ② その他の場合は、
     「遺留分の基礎となる財産」×法定相続分×1/2
となります。
 「遺留分の基礎となる財産」の額や遺留分のうちどれくらいの額が侵害さえているのか(これを「遺留分の侵害額」と言います。)などを算定するにあたって細かな決まりがありますので、詳細はご自身の事例を示してお尋ねください。

か行  

 か行

かいふう
開封(かいふう)
 封印のある自筆証書遺言は、家庭裁判所で、検認の際に相続人等の立会いのうえ開封しなければならないことになっています。

けんにん
検認(けんにん)
 家庭裁判所が、相続人に対し遺言の存在およびその内容を知らせるとともに、遺言書の形状,加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。一種の保全手続きともいえます。
 遺言書の保管者または遺言書を発見者した相続人は、相続開始後(被相続人が亡くなった後)遅滞なく家庭裁判所にその遺言書を提出し、検認を受けなければなりません。
 検認を経なければ過料の制裁を受けることがあり、また、遺言の内容に基づく不動産の相続登記(いわゆる不動産の名義変更のことです。)や遺贈の登記が申請できないなどといったように遺言執行等に支障が生じることがあり得ます。ただし、検認手続き自体は遺言の効力を発生させるものではなく、遺言の有効・無効は遺言書の内容と形式により判断されます。
 公正証書遺言はこの検認手続が不要となります。

さ行

 さ行

シテイソウゾク
指定相続分(していそうぞくぶん)
 被相続人は、遺言で相続人の各相続分を指定することができます。
 数人の相続人のうち一部の者のみの相続分を指定することもできますが、この場合、指定を受けていない相続人の相続分は法定相続分によることになります。
 自由に指定することができますが、遺留分の規定に違反しないように留意する必要があります。

ジュイ
受遺者(じゅいしゃ)
 遺贈を受ける者として遺言で指定された者のことです。
 相続人または相続人以外のどちらでも受遺者とすることができ、法人でも構いません。生きて生まれることを条件として胎児も受遺者となることができます。
 相続放棄をした者、相続欠格者を受遺者とすることはできませんが、被廃除者(廃除された相続人のことです。)を受遺者とすることはできます。

ケッカクジユウ
証人の欠格事由(しょうにんのけっかくじゆう)
 公正証書遺言を作成する場合は証人2名を用意し、遺言者本人とともに公証役場に赴く必要があります。この証人は原則として誰でもよいのですが、以下の人は証人になることができません。
 ① 未成年者
 ② 推定相続人相続が開始した場合=被相続人が亡くなった場合に相続人なる人のこと)
 ③ 受遺者
 ④ ②及び③の配偶者、直系血族(子、孫、父母、祖父母など)
 ⑤ 公証人の配偶者、公証人の4親等内の血族、公証人の書記・使用人

コウケン
成年被後見人(せいねんひこうけんにん)
 認知症の人や知的障がいや精神障がいのある人で、判断能力が不十分な状態にあり、親族等の請求によって家庭裁判所から後見開始の審判を受けた人のことです。
 認知症、知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力の不十分な方々は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また、自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい、悪徳商法の被害にあうおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援するのが成年後見制度です。
 成年被後見人には保護者として成年後見人が付され、身上監護(生活・療養看護に関する事務処理)と財産管理(預貯金や不動産などの管理、生活用具の購入、各種手続きの代理など)が行われます。


成年被後見人の遺言(せいねんひこうけんにんのゆいごん)
 成年被後見人であっても、判断能力を一時回復した時であれば、民法の規定に従って遺言をすることができます。ただし、判断能力の確認は2人以上の医師が立ち会って行う必要があり、さらに、その遺言した際に判断能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記する必要もあります。

ソウゾク
相続(そうぞく)
 死亡した人の生前にもっていた財産上の権利(所有権など)や義務(債務など)を相続人が包括的(ある特定の財産だけとかではなく全体的に)に引き継ぐことです。
 相続人が複数いる場合は、共同相続といって、原則として相続分に基づいて分数的な割合で引き継ぐことになります。

ケッカク
相続欠格(そうぞくけっかく)
 本来であれば相続人となる人が、以下の不行跡事由によって、法律上当然に(手続きなしで)相続の資格を失うことです。遺贈を受ける資格も失います。
 ① 被相続人や先順位・同順位の相続人を殺し、殺そうとして刑に処された場合
 ② 被相続人が殺されたことを知って、告発・告訴しなかった者(その者に是非の弁別がな
  い場合、殺害者が自己の配偶者・直系血族の場合を除く)
 ③ 詐欺・強迫によって被相続人の遺言を妨げまたは被相続人に遺言をさせた場合
 ④ 被相続人の遺言を偽造・変造・破棄・隠匿した場合


相続税(そうぞくぜい)
 相続によって被相続人から相続人に移転する財産に対して課される租税です。
 課税される遺産の総額は、遺産の総額の全部ではなく、基礎控除額(5千万円+1千万円×相続人の数)を差し引くことになりますす。したがいまして、相続税ときくと「相続の際は必ず納めなくてはならない」、「相続税は多額である」、「相続税のために所有している不動産を売却しなければならない」などといったイメージをお持ちの方が多いかもしてません。しかし、基礎控除額が「5千万円+1千万円×相続人の数」ですので、この金額を超えなければ相続税はかからないことになります(詳細につきましては税理士の先生の業務ですので、必要に応じて税理士の先生をご紹介いたします。)。ちなみに、相続税の課税があった件数(被相続人の数)の割合は平成21年のデータでは4.1%です(出所:財務省「相続税、贈与税など(資産課税等)に 関する資料」平成24年4月末現在)。

ゾウゾクニン
相続人(そうぞくにん)
 相続が開始された(被相続人が亡くなった)ことによって相続財産を引き継ぐ人のことです。順位は「法定相続分」の解説を参照しながら読んでみてください。①〜③はその順位の順番です。子がいれば被相続人の直系尊属や兄弟姉妹は相続人にはなりません(子が第一順位)。子がおらず直系尊属がいれば兄弟姉妹は相続人にはなりません(直系血族が第二順位)。子も直系血族もいない場合には兄弟姉妹が相続人になります(兄弟姉妹が第三順位)。上記のどのケースでも配偶者は常に同順位の相続人となります。
 被相続人に孫がいる場合で、被相続人よりも先に(または被相続人と同時に)子が亡くなっていた場合(廃除を受け、または相続欠格者となってい場合を含み、相続放棄を含みません。)は、孫が子の代わりに相続人となります(これを代襲相続と言います。)。
 直系尊属が相続人になる場合で、被相続人に父母がおらず祖父母がいる場合は、その祖父母が相続人となります。逆に父母も祖父母もいる場合は、両親のみが相続人となります。
 被相続人がまだ存命である時点で、被相続人に相続が開始した(被相続人が亡くなった)場合に、直ちに相続人になるべき人のことを「推定相続人」といいます。

ホウキ
相続放棄(そうぞくほうき)
 相続が開始した後(被相続人が亡くなった後)に相続人が相続の効果を否定する意思表示で、自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に家庭裁判所に申述して行わなければなりません。
 効果としては、その相続に関しては初めから(相続が開始した時から=被相続人が亡くなった時から)相続人とならなかったものとみなされ、相続財産が債務超過であった場合には相続人の意に反して過大な債務を負わされることになりますが、これを回避することができます。
 プラスの財産だけ引き継いで、マイナスの財産(債務など)だけを放棄することはできず、相続人としての法律上の地位のすべてを放棄することになります。
 相続が開始する前(被相続人が亡くなる前)に放棄することはできず、また被相続人から遺言等によって強制したり、他の相続人から請求するなどといったことはできません。
 例えば第一順位(順位は相続人を参照してください。)の相続人全員が相続放棄すると相続権は第二順位の人にいきます。

ソウゾクブン
相続分(そうぞくぶん)
 共同相続人(相続人が複数いる場合のことです。)の相続財産全体に対する分け方の限度のことです。
 指定相続分法定相続分があります。

た行

 た行


特別方式の遺言(とくべつほうしきのゆいごん)
 危急時遺言(死亡の危急に迫られた人がする「一般危急時遺言」と「難船危急時遺言」)と隔絶地遺言(「伝染病隔離者遺言」と「在船者遺言」)に分類されます。

な行

 な行


任意後見契約(にんいこうけんけいやく)
 自分(委任者)が精神上の障害(認知症、知的障がい、精神障がいなど)により、判断能力が不十分な状態になったときに備え、当該状態になった以降における自分の身上監護および財産管理に関する行為を受任者(任意後見人)に委託し、代理権を付与する契約をあらかじめ締結しておくことができます。
 任意後見契約書は、一定の様式の公正証書によって作成する必要があります。
 委任する契約の内容は希望に応じて事由に設定することができます。
 任意後見は契約と同時に開始されるものではなく、本人の判断能力が低下し任意後見が必要になった場合に、申立人(本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見の受任者のいずれか)が家庭裁判所に任意後見監督人(任意後見人の事務を監督する人)の選任を申し立て、当該任意後見人が選任されて初めて任意後見が開始されます。
 契約の相手方である受任者(任意後見人)は、原則として、誰でも信頼できる人にすることができ、専門家に限らず、親族でも友人でも問題ありません。ただし,法律がふさわしくないと定めている事由(欠格事由)のある以下の人は任意後見人になることができません。
 ① 未成年者
 ② 過去に家庭裁判所から成年後見人等や保佐人、補助人を解任されたことのある者
 ③ 破産者
 ④ 行方不明者
 ⑤ 本人に対して訴訟を提起したことがある者、その配偶者・直系血族
 ⑥ 不正な行為・著しい不行跡の事由のある者
 ⑦ その他任意後見人の任務に適しない事由のある者

ニンチ
認知(にんち)
 「嫡出でない子」(法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子)について、その父また母との間に、意思表示(任意認知)または裁判によって(強制認知)親子関係を発生させる制度です。通常、母子関係は分娩(出産)の事実があるので認知の必要はありませんが、これとは逆に「嫡出でない子」と父との法律上の父子関係は認知がなければ生じず、したがってこの認知がなければお互いに相続関係も生じないことになります。
 任意認知は戸籍上の届出(創設的届出=届出によって認知の効果が生ずる。)によってすることができます。また、遺言によってもすることができ、この場合は遺言執行者が届出(報告的届出=遺言の効力が生じる遺言者の死亡時に認知の効果も生じている。)をします。
 認知の効果はそれが発生すると、第三者の既得権を害さない限りにおいて、子の出生の時までさかのぼります。したがって、父の子に対する扶養義務もさかのぼって発生することになります。

は行

 は行

ハイジョ
廃除(はいじょ)
 遺留分をもつ推定相続人相続が開始した場合=被相続人が亡くなった場合に相続人なる人のことです。)が、以下のいずれかの行為をした場合に、被相続人の請求または被相続人の遺言(遺言でも廃除の意思表示が可能です。)に基づく遺言執行者の請求によって、家庭裁判所が審判で当該推定相続人の相続権を奪う制度です。
 ①被相続人に対して虐待をしたとき
 ②被相続人に対して重大な侮辱を加えたとき
 ③推定相続人に著しい非行があった場合
 被相続人はいつでも廃除の取消しを家庭裁判所に請求することができますし、遺言で廃除の取消しの意思表示をすることもできます。
 また、被廃除者に対しては相続欠格者とは異なり、遺贈をすることができます。

ヒソウゾクニン
被相続人(ひそうぞくにん)
 亡くなった人、相続される人のことです。

ヒミツ
秘密証書遺言(ひみつしょうしょゆいごん)
 自筆証書遺言公正証書遺言と同様に普通方式とされる遺言の形式の一つです。
 その方式は、遺言内容を記載した後にその証書に署名・押印をし、封をしたうえ証書に用いた印章をもって封印をします。そして、公証人と証人2人以上の前に封書を提出して、自分の遺言書である旨とその氏名・住所を申述します。最後に公証人が、その証書を提出した日付と遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともに署名・押印をします。
 記載内容はワープロでも構いません。また、公証人を含め誰に対しても内容を秘密にしておけるメリットがありますが、訂正方法等を誤ると公証人が内容確認をすることができないために遺言執行の際に無効であることが判明する場合があります。
 ちなみに秘密証書遺言として方式を誤っていても、結果的に中身が自筆証書遺言としては有効であったという場合があります。

フウイン
封印(ふういん)
 封筒の封じ目に印を押すことです。自筆証書遺言秘密証書遺言の場合に証書に用いた印章で封印をします。
 亡くなられた方の遺言書が発見されたときは、びっくりして封を破って開けてしまいがちですが、封印のある遺言書は家庭裁判所で相続人またはその代理人の立会いがなければ開封できないことになっていますので、注意してください。また、自筆証書遺言と秘密証書遺言の場合は、家庭裁判所に検認の請求をする必要がありますので、いずれにしても、まずは被相続人の亡くなった時の住所地を管轄しているの家庭裁判所(裁判所一覧)に連絡してください。

フゴン
付言事項(ふげんじこう/ふごんじこう)
 遺言事項(こちらを参照してください。)は民法に法定されており、これを遺言に記載することにより、遺言者が亡くなった時に法的効果が生じます。この遺言事項と併せて、例えば説教や希望、どうしてそのような遺言内容にしたかなどのの理由、感謝の気持ち、お侘びの言葉など事由に記載して構いません。これ付言事項です。
 この付言事項には法的効果はありませんが、遺言者の素直な気持ちや愛情が最後の言葉となって家族に伝わることでしょう。とかく遺言事項は堅苦しい内容になりがちですが、この付言事項を記載することで、遺言者の人柄が文面に表されることになると思います。

ホウテイソウゾク
法定相続分(ほうていそうぞくぶん)
 遺言による相続分の指定がない場合は、民法の規定で相続分が定まります。
 ① 配偶者と子(子が先に死亡した場合の孫を含みます。代襲相続と言います。)がいる場
  合は、それぞれ1/2づつ。子が複数いる場合はその1/2をさらに均等に分けます。
 ② 子がおらず配偶者と被相続人の直系尊属(父母などのこと。父母が先に死亡していれば
  祖父母です。)の場合は、配偶者が2/3、直系尊属1/3。例えば被相続人の父母双方
  が健在であればその1/3をさらに均等に分けます。
 ③ 子も直系尊属もおらず配偶者と被相続人の兄弟姉妹の場合は、配偶者が3/4、兄弟姉
  妹が1/4。兄弟姉妹が複数いる場合はその1/4をさらに均等に分けます。
 被相続人に「嫡出である子」(法律上の婚姻関係にある男女を父母として生まれた子)と「嫡出でない子」(法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子で、父から認知を受けた子)の双方がいる場合は、 嫡出でない子は嫡出である子の1/2の相続分となります。
 兄弟姉妹が相続人となる場合で、被相続人と父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹は、被相続人と父母の双方を同じくする兄弟姉妹の1/2の相続分となります。

ま行

 ま行

ミセイネン
未成年後見人(みせいねんこうけんにん)
 未成年者に親権者がいない場合に、当該未成年者を監護教育し、その財産を管理する人のことです。
 最後に親権を行う親権者が遺言で後見人を指定することができ、この指定がない場合は、当該未成年者の親族や利害関係人の請求によって家庭裁判所が選任します。

や行

 や行

シッコウ
遺言執行(ゆいごんしっこう)
 遺言事項の中には、遺言者の死亡のみによって効力が生じるのではなく、遺言の内容を実現するために一定の行為を必要とするものがあり、その一定の行為のことです。

シッコウシャ
遺言執行者(ゆいごんしっこうしゃ)
 遺言執行を要する遺言事項の中でも認知や相続人の廃除、廃除の取消しは、遺言執行者によって行わなければなりません(その他に、遺言執行者ではない相続人が執行できる遺言執行が必要なものもあります。)。
 遺言執行者は、遺言によって指定され、または遺言で委託された人から指定され、あるいは利害関係人からの申立てよって家庭裁判所に選任され、就任を承諾することによって、遺言執行をすることができるようになります。
 また、例えば相続人が複数いたり、相続人間で対立がある、相続人に海外在住者がいるなどのために遺言執行を相続人全員で行うことが難しいなどの場合にも、あらかじめ遺言で遺言執行者を指定しておくとよいでしょう。
 遺言執行者は相続人の代理人とみなされ、遺言執行者がいる限りにおいては、相続人であっても相続財産の処分や遺言の執行を妨げる行為は一切できないこととなります。
 なお、未成年者や破産者は遺言執行者になることができませんが、法人でもなることができますし、複数の人でも構いません。

テッカイ
遺言の撤回・変更(ゆいごんのてっかい・へんこう)
 遺言はいつでも自由に撤回・変更することができます。
 遺言の効力が生じるのは遺言者が亡くなった時ですから、生前はあくまでも遺言者の自由を尊重するという趣旨です。全部でも一部でも構いません。
 撤回・変更の方法は、遺言の方式ですることを要します。口頭で「あれは無しにする。」といったようなことはできません。ただし、作成済みの遺言書(以下、これを「前の遺言書」とします。)と同一の方式でする必要はなく、公正証書遺言を作成している場合に自筆証書遺言で撤回・変更することも、その反対もできます。
 撤回・変更する箇所は、後の遺言書(変更した内容の遺言書)で前の遺言書の一部を変更した場合は、その部分のみ(例えば、複数ある不動産のうち、前の遺言書では「A不動産は長男に遺贈する。」としていたものを後の遺言書で「A不動産は次男に遺贈する。」と書いた場合など。)が変更されます。この場合は前の遺言書の他の条項は有効のままですので、2通で1セットということになります。このことは、前の遺言書の内容を忘れて後の遺言書を作成した場合(内容に抵触する箇所がある場合)にも同じことが言えます。後の方が優先するということです。
 また、遺言書で「B不動産を長男に遺贈する。」としておきながら、故意にあるいは失念してB不動産を売却してしまった場合は、その遺言内容は撤回されたものとみなされます。
 撤回・変更する遺言書の内容は、以下によることが考えられます。
 ① 前の遺言書を撤回する遺言書を作成する(遺言しなかった状態に戻す。)。
 ② 前の遺言書を撤回して、改めて遺言書を作成する(前の遺言書を変更する。)
 ③ 前の遺言書を撤回せずに、前の遺言書と抵触する遺言書を改めて作成する(敢えて抵触
  させて前の遺言書を変更する。)。

 わ

   

あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行